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アニメの感想など

『秘密の空をめぐって』委託販売のご案内

「芸能人はカードが命!」第14回で頒布したアイカツ考察本『秘密の空をめぐって』の委託販売を、BOOTHにて行っています。A5版、70ページ。価格は本体価格(500円)と送料(180円)を合わせて680円になります。よろしくお願いします。

再現と創作の境界を越えて:『恋は雨上がりのように』第7話

『恋は雨上がりのように』第7話、店長の詩的なセリフが何より素晴らしく、近藤役の平田広明さんと、「監督の依頼をいただいて、すぐに思い浮かんだのが平田さんだった」*1 という渡辺歩監督には、ただただ敬服するばかりです。*2 というところで、あのセリフ…

『からかい上手の高木さん』OPと出合小都美さんのOP・ED演出についてのメモ

出合小都美さんが絵コンテ・演出を担当している『からかい上手の高木さん』のOP映像、丸いレンズフレアがフィルム全体を包み込んでいるような感触があり、大原ゆい子さんの優しい歌声も相俟って、素晴らしい映像に仕上がっています。

複数軸のフロウ:『スロウスタート』第7話

舛成孝二さんが絵コンテを切った『スロウスタート』第7話は、〈栄依子×先生〉と〈花名×栄衣子〉——この2つ関係性の変化を軸に構成されていました。互いに干渉しあいながらゆるやかに変化していくこの2つの関係性は、言語化されていない「画」であるからこそ…

『ダーリン・イン・ザ・フランキス』のシネスコ演出が好きという話

『ダリフラ』でシネスコ演出が使われているシーンが今のところ(第5話まで)全てヒロとゼロツーのシーン*1 であることに、何か特別な意味があるのかはわかりませんが、シネスコサイズで切り取られた2人の姿はいつもどこか情動的で、興奮と哀愁の入り混じっ…

秘密の空をめぐって

前回の芸カ(芸カ14)で出した同人誌に、『秘密の空をめぐって』と題されたものを書きました。それがどうにも気恥ずかしい文面で、ネットに公開することは一生ないだろうと思っていたものなのですが、こだまさおり作詞/石濱翔作曲の『AIKATSU GENERATION』…

「内面」と「背景」:『恋は雨上がりのように』第3話、第4話

アニメ『恋は雨上がりのように』の魅力は、約言すれば、「現実の中にあって現実から浮く感じ」の一言に尽きるように思います。思えばこれは、1話の時から感じていた感覚でした。恐ろしいほど細やかな全身芝居と、ガーデン店内のパキッとしたレイアウト、あ…

『ゆるキャン△』第5話についてのあれこれ(漫画に流れる音楽、「背景」と「世界」)

『ゆるキャン』5話、本当に素敵なお話でした。EDのラストカット(志摩リンが温泉入ってるとこ)でなんか急に涙が出てきて、これは何か書かなければと思って筆を執っているのですが、多分大した話は出てきません。 『ゆるキャン』を観ていて思い出すのは、佐…

「愛してる」を灯す:『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』第4話

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、本当に素晴らしいです。一見何でもないように見えるカットにさえ途方もないこだわりが詰まっていて、全セクションを通して手を抜いた箇所が一箇所もないのがわかってしまう。本当にとんでもない作品です。 第4話の絵…

「回想」と「繰り返し」(『宇宙よりも遠い場所』の構成美)

アニメでオリジナル作品をやる場合、監督、プロデューサー、脚本家あたりで企画を煮詰めて、ホン読み(脚本会議)でしっかりシリーズ構成を固めて… という作業を念入りにすると思うのですが、『宇宙よりも遠い場所』はその辺り、相当根を詰めて準備してきた…

『カードキャプターさくら クリアカード編』のOP・EDについて

作中では『さくらカード編』から『クリアカード編』まで1年と少ししか経っていませんが、現実世界では18年の時が流れました。その間に撮影はアナログからデジタルになり、画面サイズも16:9に変わり、スタッフ・キャストの皆さんも等しく歳を取りました。そ…

本編外の距離感:『からかい上手の高木さん』第3話

『からかい上手の高木さん』、正直に言うと、たまに恥ずかしくて観ていられなくなる時があるのですが、とても素敵なアニメです。高野綾さんデザインのやわらかい線で縁取られたキャラクターが、絶妙にぼかされた背景に浮かび上がって、2人の距離感を優しく…

場所に宿る想いを描く:『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』第3話

まさかこんなに連続で記事を書くことになるとは思いませんでした。OPやEDから石立監督の思い入れの強さやスタッフの本気度が伝わってきて、どうにも目が離せない作品です。原画が6人、それも一原のみというところも大きいでしょう。原画・作監が何十人もい…

空間を埋めること、距離を埋めること:『スロウスタート』第3話

浪人経験者には何かと刺さるアニメ『スロウスタート』ですが、高校と大学ではわけが違います。花名にはきっと、普通に高校に通っていた身では想像もつかないような気苦労があるのでしょう。とはいえ、花名を囲むメンバーも、「中学浪人」という個性に負けず…

アニメーションの余白(『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』2話までの感想)

「裏腹」という言葉が一つのキーワードになっていた『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』第2話ですが、1話に負けず劣らず作画密度が高く、そのクオリティの高さは、スタッフの方々の労働環境が心配になってしまうほど。コンテ・演出は「おまつりトライアン…

「青春」を創作する(『宇宙よりも遠い場所』1話がやっぱり素晴らしいという話)

『響け!ユーフォニアム』といい『ラブライブ』といい、最近の花田十輝さんはエモいものばかり書くなあと思っていた矢先、『宇宙よりも遠い場所』という青春そのもののようなアニメがはじまりました。

【メモ】『宝石の国』とCGについてのあれこれ

いろんなところで指摘されている通り、かなり巧妙に手描きが混じっていて、ちょっと変な言い方ですが、3Dの利点を活かすために惜しみなく2Dを使っている印象がある。『宝石の国』の新しさは、この2Dを3Dに寄せるアプローチ——ハイブリッド式の2Dと3Dの比率を…

私的翻訳「LAND OF THE LUSTROUS / HOUSEKI NO KUNI PRODUCTION NOTES 1-6」

英語の勉強も兼ねて。Sakuga Blog様より掲載の許可は頂いています。 Evernote

話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選

『リトルウィッチアカデミア』が未来の可能性を示し、『Fate/Apocrypha』が手描きアニメの不滅性を証明してみせ、『宝石の国』がピクサー等とは違う、2Dと3Dの入り混じった新しい表現を産み出した。そんな2017年は「日本のアニメーション100周年」にあたる年…

ねえ、信じた道を進もう:『アイカツスターズ!』86話「涙の数だけ」

それそのものに莫大なエネルギーが孕まれた作品は、時にその受け手の生き方に、予想もつかないような変化を引き起こすものです。『アイカツスターズ!』86話には、そういう類の「力強さ」が確かにありました。

今こそ語ろう『アイカツ!』全話レビュー その1(第1話 - 第6話)

今こそ語ろう『アイカツ!』全話レビュー その1(第1話 - 第6話)

『アイカツ!』のその先へ:『ドリフェス!R』8話と『アイカツ!』41話

※この文章は、『ドリフェス!R』8話を観て居ても立ってもいられなくなって勢いで書いたものです。論理の破綻しているところ、文章として意味が通らないところ、誤読しているところ、などがあるかもしれません。

『プリンセス・プリンシパル』論:日常と革命

少し奇を衒ったような言い方に聞こえるかもしれませんが、「革命」とは、例えば「みんなでスコーンを食べること」です。和製ピカレスクの常道よろしく、チーム白鳩の面々は可能な限り血を流させない道を選んできましたが、プリンセスのいう「隔てているもの…

『血界戦線 & BEYOND』EDの映像演出について

松本理恵さんの映像演出には、ジャンプカット・同ポジの多用、フレームのある構図、ロングショットの絶妙な間の取り方等々、いくつかの特徴がありますが、「映像と音の親和性が異常なまでに高い」というのも特徴の一つではないかと思います。

芸カ14のご案内

11月12日の「芸能人はカードが命!」第14回にて、『秘密の空をめぐって』という考察本のようなものを頒布します。A5版、70ページ、500円、スペースは【プ53】です。 よろしくお願いします。 11/12(日)の芸カ14で考察本のようなものを頒布します。A5版、70頁…

片渕須直監督のアニメーション ——『アリーテ』『マイマイ新子』『この世界の片隅に』

想像力をどう扱うか。まったく存在しないものを想像するのではなく、自分の目の前にいる人の心を推し量ったり思いやることだったり、自分の目の前の風景にしても「ここにはかつてこんな人たちがいて、こんな経過をたどって目の前にあるんだな」ということを…

目覚めてる夢に向かって:ソレイユと『Good morning my dream』(改訂版)

紙媒体向けに編集していたことと、40話「ガール・ミーツ・ガール」を観返していて思うところがあったことと、とにかくいろいろあって書き直しました。すいません。一応以前に書いた「3つの星と新しい輝きのメロディー」の続きになります。(2017.07.23) さて…

3つの星と新しい輝きのメロディー

トライスター編は、誤解を恐れずに断言すれば、異質です。『アイカツ!』全体を通してこれほどシリアスなエピソードは他に例がありません。木村監督は「コメディーはコメディーでも、重たいコメディーにはしたくないと思って、すみずみまで気を使いました」*…

『やがて君になる』の意味を考える

読み返していてふと思いついたことがあったので、ちょっと書いてみようと思います。『アイカツ!』以外のことについて書くつもりは全くなかったのですが、どうしてこうなるんでしょうね。 まず前提として、「やがて君になる、の「なる」は「成る」ではなく、…

『START DASH SENSATION』から大空あかりの物語を読む (改訂版)

※あまりに出典不明瞭な箇所が多いので、「目覚めてる夢に向かって」に続いてこちらも修正しました。(2017.07.25) 『アイカツ!』という作品の大きな特徴の一つとして、物語と楽曲の関連性の高さが挙げられます。「アイドルオーラとカレンダーガール」「目指…