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『魔法つかいプリキュア!』の「魔法」の話

 49話「さよなら…魔法つかい!奇跡の魔法よ、もう一度!」、すごかったですね…。本当にすごくて、月曜になっても全く余韻が消えなくて、それでいろいろとEvernoteに書き殴っていたのですが、それが気がついたら結構な分量になっていまして、もうどうせなら公開してしまおうかなと。そんなところです。うまいこと構成し直して加筆・修正を加えてはみたのですが、要するに49話を見て思いの丈をぶつけただけなので、あまり論理的とはいえないですね。まあなんでもいいです。

 

 さて、本作では、言葉や思いの強さが起こす奇跡を「魔法」と形容する描写が何度かありました。『魔法つかいプリキュア!』における「魔法」とはそういうものなのだと思います。花海ことはという名前も、「素直な言の葉は、時に魔法となって人の心を動かす」という校長先生の言葉を受けてのものでした。モフルンの存在もそうで、モフルンが動いたり話したりできるようになったのは、みらいと話したいと思い続けていたからなのでした。(36話) 

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 そして49話では、ものすごいことが明かされました。見てた時は涙で画面が見えなくて、何も考えられなかったのですが、あとから考えるとものすごいことです。全文を引用します。

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リコ、ありがとうモフ。あの時モフルンを見つけてくれて。

モフルンは『魔法つかいがいた』って、みらいに教えてあげたくて、一生懸命つたわるようにねがったモフ。

そしたらリコはモフルンに気づいてくれて、みらいのお友達になってくれて、モフルンもみらいとおしゃべりできて、いっぱいいっぱいおしゃべりできて、とってもうれしかったモフ。

みらい、リコ、はーちゃん。みんな大すきモフ。

 つまり、みらいとリコ、違う世界に住む2人が出会えたのは、モフルンが「一生懸命つたわるようにねがった」からであり、思いの強さが起こした奇跡=魔法の力によるものだったということになります。決して偶然ではないのです。 

 すると、「二人の奇跡 キュアミラクル」と「二人の魔法 キュアマジカル」に変身する際に、みらいとリコがモフルンをはさんで手を繋ぐのは、二人の出会いがモフルンの思いの強さが起こした奇跡であり魔法だからなのだと考えることができます。

 

 あと感動したのが、「わたしたちの手に」ではなく「わたしたちの手で」になっていたことですね。

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 いきなり48話の話に飛びますが、混沌っていうなればハッピーエンドなんですよね。魔法界、ナシマホウ界、妖精の里の境がなくなり、共存することができればそれが一番いいわけです。でも、彼女たちは安易に混沌を受け入れることをしなかった。それは自分たちの力で掴み取らなければ意味がないのだと。そして「わたしはわたしで、その隣に誰かがいてくれる。それが何よりもすてきなの」だと。 

 あんまり引用するつもりなかったのですが、見返したら素晴らしいセリフばかりだったので、少し引用させてください。特にリコの「夕日がきれいなのは、そうしんじてるから」ってセリフが素晴らしい…

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みらい「夕日がしずんだら、みんなおうちに帰る時間。でも新しい朝が… 明日が来れば…」
リコ 「また会える。夕日がきれいなのは、そうしんじてるから…」
みらい「うん。どうなるかなんて、今は、まよってちゃダメ。取りもどさなくっちゃ!わたしたちの… みんなの夕日!」
ミラクル  「本当は、ちょっぴりうれしかった。2つの世界のみんなが、あんなふうになかよく笑顔でいられる世界。でも…!」
マジカル  「それは、ただ待ってて手に入れられるものじゃないわ。」
フェリーチェ「そう、自分たちの力でいつか…。そのために明日を、かならず守って見せます!」 

 『魔法つかいプリキュア!』における「魔法」は、努力なしに何でも解決してくれる便利なツールではないのです。素直な言葉や強い思いが起こす奇跡。それが魔法であって、彼女たちが「魔法つかい」であるというのは、そういう文脈においてなのだと思うのです。 

 そして、デウスマストを倒した後、彼女たちは何年も再会を信じ続けた。また会える明日が来ると信じ続けた。その強い思いこそが魔法なのであり、「わたしたちの手で」起こした奇跡なのです。
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 もう一つ、おばあちゃんの話を少ししておきたいと思います。みらいにモフルンをあげたおばあちゃん、結希かの子。彼女がどの程度魔法界を知っているのかは不明ですが、というか不明なままでいいと思うのですが、少なくとも校長先生を見たことはあるわけです。もし彼女が2つの世界の接近を願っていたとしたら、その願いがモフルンに魔法をかけたと考えることもできると思います。 

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かの子「モフルンはみらいを見守ってくれてる。小さい頃からずーっと、今でもね。」
みらい「わたし、おばあちゃんのお話、大すき。不思議なお話をいっぱいしてくれたから、色んなことに興味を持てて…。だから、出会えたんだ。
かの子「素直な言葉は力になる。」
みらい「えっ?」
かの子「思いがつながっていれば、それは… 奇跡を起こすのよ。」

 おばあちゃんのキャラクターに関しては曖昧な余韻を残す狙いがあると思うので、解釈を提示するのもどうかなとは思ったのですが、まあ一つの見方ということで。ただ、視聴者の視点の分身的な役割はあるのだろうなとは思います。

 

 『アイカツ!』最終回に際して、松澤千晶さんがこんなツイートをしていらっしゃいました。

 松澤千晶さん、本当に素晴らしい感性をお持ちなんですよね…。毎回文面から作品への愛がこれでもかというほど伝わってきます。エッセイとか出して欲しい。

 まあそれはさておき、『魔法つかいプリキュア!』も、「画面の中から自分の中へ宿る感覚に」なってくれればなあと思うわけです。素直な言葉や強い気持ちがあれば、奇跡は起こせる=魔法は使えるのだということ。そして、違う世界の人とだってわかり合えるのだということ。子供たちにはいつまでも忘れないでいて欲しいなあと思います。 

 最終回のサブタイトルにある通り、『魔法つかいプリキュア!』の「魔法」は、未来(あした)をいい日にしてくれる魔法でもあるのかもしれません。

 そう、最終回まだ終わってないんです。なので、とりあえずは49話に寄せてということで。