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目覚めてる夢に向かって:ソレイユと『Good morning my dream』

※姉妹稿というわけではないのですが、ソレイユ結成に至るまでの話を以前に書いたものがありまして、今回はある程度それを踏まえた上での話になりますので、そちらも合わせて読んでいただけましたら幸いです。

 

 フォトカツのシングルシリーズ第3弾『ドラマチックガール』が発売されたのは、もう1年近く前のことになるでしょうか。そこに収録されていた『Good morning my dream~いちご&あおい&蘭 Ver.~』は、ある種の衝撃をもって受け入れられました。第125話「あこがれの向こう側」の劇伴としてばっちり使われていたものなので、CDではじめて聴いたというわけではないはずなのですが、とにかくCDで聴いた時、とてつもない衝撃があった。それからまた改めて聴き直し、歌詞を読み直し、気づけば『Good morning my dream』をソレイユが歌うということはどういうことなのか、潜考せざるを得なくなっていました。本稿では、その時考えたことをいろいろとまとめてみたいと思います。

 最初は歌詞を全て引用し、一節一節全てに解釈を書いてやろうと思っていて、実際途中まで書いたのですが、あまりにも情緒に乏しいのでやめました。歌詞の持つ多義的な魅力を減じてしまうことになり兼ねないので、引用は最小限に留め、ある程度抑えめに綴っていこうと思います。歌詞を参照したい方はお手元の歌詞カードなり、歌詞タイムなりを見ていただければと思います。引用箇所は一応、いちごあおいで色分けしていくことにします。 

 

 さて、まず場面設定としては朝ですね。イントロからいきなり目覚まし時計が鳴り響き、「風はもう南の空へ」ですから、太陽はまだ東の空にいる。「新しい服」「未来ごと深呼吸」など、何か新しいことがはじまるような、ソワソワした心地よい緊張感が感じられます。

 で、朝って太陽が昇る時ですから、この何かがはじまる朝という場面設定自体が、実はソレイユが動き出したことのメタファーになっている。ここではそれを前提に読んでいくことにします。とはいっても、「太陽」「お日さま」などの表現は1曲通して一度も使われていませんから、別にソレイユのための歌だというわけでもないのでしょう。あかりGenerationの歌という側面の方が、むしろ強い。ただ、「朝=太陽が昇る時=ソレイユ結成のメタファー」だという視点に立つと、いろいろなことが見えてくるんですね。続くBメロにも、「朝」という言葉が出てきます。

大事な決意はきっと ずっと前にしたの
今までと、これからに いちばん似合う朝を待っていたね 

 3人でライブに出ようとはじめて言い出したのは紫吹蘭だったという話は、「3つの星と新しい輝きのメロディー」の方で書きました。ですから、蘭の中で3人の未来に関わる大事な決意はきっと、その頃から固まっていた。そんな自分の気持に気づき、正直になるための転換点が、トライスター編でした。今まで3人でやってきたことと、これから3人でやっていくこと、その過去と未来とにいちばん似合う朝、ソレイユ結成の瞬間を、彼女たちはずっと待っていた。スターライト学園で過ごす何てコトない毎日の中で、いつの間にか彼女たちの夢は目覚めていたのです。ですから、「おはよう」は「目覚めてた」ソレイユという夢への挨拶でもあり、その夢を共に走っていく友達への挨拶でもある。「おはよう、わたしの大切なfriend」って素敵なフレーズだと思いませんか。 

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 さて、問題は2番のAメロです。ここの衝撃には恐ろしいものがありました。冒頭であれこれ言っていたのはここの話です。

あの時ね気づいたの これだってわかったの 世界が生まれかわるくらい
大きな声で呼びかけた 振り向いて欲しくて 

 ここを紫吹蘭が歌ってしまうと、「あの時」は第37話「太陽に向かって」のあの時だということになってしまう。自分の進む道を自分で決めた、「これだってわかった」あの時の変化は、まさに「世界が生まれかわる」ほどのものでした。ソレイユ結成に際しての蘭の変化については前に散々書いたのでここには書きませんが、この箇所を蘭が歌っていることの意味は、とてつもなく大きい。是非37話を見返した上で聴いていただきたいと思います。

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 「大事なぶんだけちょっと慎重になったり」をいちごが歌うというところもいいですね。第2話「アイドルがいっぱい!」の編入時のエピソードを思い出してもいいかもしれませんし、第5話「ラン! ランウェイ!」を思い出してもいいでしょう。初期は一緒に上がっていけるかどうか、それぞれが思い悩んでいた時期でした。それでも、大事な決意はきっと、そのころから決まっていたのではないかと思います。2話には、霧矢あおいのこんなセリフがありました。

スターライト学園に行きたいって言ったら、「私がやりたいことなら」って、パパとママはOKしてくれた、それも嬉しかったけど、もっと嬉しかったのはね、私一人で考えてた夢を、いちごと一緒に追いかけられるってこと。それだな、私が頑張れる理由わけ

(第2話「アイドルがいっぱい!」)

 そうして「ちょっと慎重に」なりながら彼女たちの夢は育まれてきたのです。そしてその夢は、「ソレイユを続けること」という、新しい大きな夢へと変わっていく。まだ少し臆病さもあるけれど、「どこまでもキミと走っていたい」。不思議と迷いのない大きな夢に向かって、彼女たちは走り出したのです。

いちご「おばあちゃんになるまで続けるには、とっても大変なことがたくさんあると思うし、本当に出来るかもわからない。

蘭「けど、大きな夢が何か、何をつかみ取りたいかを決めると、そのためにもっともっと、走りたくなるからな」

あおい「叶うかどうかはわからないけれど、夢があるから、頑張れてるんだよね、きっと!」

(第125話「あこがれの向こう側」)

 

 

 ところで、37話でトライスター脱退宣言をした後、いちごとあおいに向けて蘭が言った一言を、皆さんは覚えていますでしょうか。

 

一緒に走り続けたい、仲間がいるから

 

 そうなんです。ここが、「どこまでもキミと走っていたい」と繋がる。おばあちゃんになってもソレイユを続けていくこと、どこまでも一緒に走り続けること。いつの間にか「目覚めてた」夢は、進行系の「目覚めてる」夢になった。このことを踏まえると、Cメロのパート分けって本当にずるいんですよ…。元のバージョンであかりがいちごに感謝を伝えるのも泣けますが、それとはまた違った感動が込み上げてくる。

わたしを選んでくれたの

ありがとう、きっとかなえるからね

あこがれの先を

一緒に描こう

目覚めてる my dream

わたしの親友 

 

 そして3人の夢は、125話のステージシーンの前で、再び語られることになります。最後にそのセリフから、また一つ視点を変えて、ソレイユという夢を考えてみたいと思います。

あおい「経験したことのない、大規模なツアーだけど」

いちご「きっと走りきれる、あおいと蘭が、隣にいてくれるから」

あおい「私も、いちごと蘭と一緒なら、怖いものなし!」

蘭「ああ、あたしもだ!一緒に走りきって、ずっと一緒に走り続けたい」 

いちご「いつの間にか、それは私たち3人の夢になってたね」

蘭「ああ、ずっと前から決まってたみたいにな」

あおい「じゃあ!どこまでも走っていっちゃいましょうか!」

3人「ソレイユ ライジング!」

(第125話「あこがれの向こう側」)

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 いや、もう、本当に素晴らしいですね…。この記事書いてて何度泣いたことか。まあそれはさておき、『Wake up my music』にはこんな歌詞がありました。

繋いだ手のひらはもう 自然なカタチ
少しずつ、でも最初から 決まってたみたい

 「ずっと前から決まってたみたい」な夢を走りはじめたソレイユの3人は、もうレジェンドアイドルの領域へと足を踏み入れているのかもしれない。だとしたら、彼女たちはこの先何があっても、もう大丈夫なのだと思うのです。だって織姫学園長と星宮りんごは、今でも別々の道を一緒に走り続けているのですから。

 

 そんなマスカレードの世代からあかり世代までずっと受け継がれてきたSHINING LINE*を30分に詰め込んだようなエピソードが、第173話「ダブルミラクル☆」でした。ソレイユの夢の成功を祈る意味でも、その回からの引用で、ここはひとまず締め括りたいと思います。 

 

織姫 「ステージで心を一つにしたものは、いつだってまた一緒になれるわ」

りんご「私たちみたいにね」

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